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国際機関と政府機関の名称

 新型コロナの影響で、WHOという国際機関の事務局長が、

頻繁にメディアに登場しています。このWHOという組織は、

世界保健機関と日本語で呼ばれますが、

日本では、ほぼWHOという略語で呼ばれています。

中国では、英語略称で呼ばれることと、中国語略称で

呼ばれることの両方があり、日本のようにカタカナがない分、

漢字で意味を正確に表しているという面もあります。

今回は、主な国際機関名や、中国政府機関名の紹介で、

日本語との違いに着目すると興味深いです。

 

<国際機関>
記載順は、英語略称、中国語名(日本漢字で表記)、日本語名です。
 〇WHO、世界衛生組織、世界保健機関
 〇FAO、連合国糧食及農業組織(略称“糧農組織”)、国際連合食糧農業機関
 〇CODEX、国際食品法典委員会、国際食品規格委員会
WHOやFAOは国連の一組織で、CODEXは、WHOとCODEXによる

食品規格を定める委員会のことです。で、この国連ですが、

中国語では、連合国と書きます。
 〇United Nations、連合国、国連
英語が、United Nationsなので、日本語よりも中国語の方がより正確で、

この辺りの表現の仕方も国連への日本人の意識と他国の意識の違いが

出ているのかもしれません。

 

地域性のある国際機関名は以下のようなものがあります。
 〇G7、西方七国集团(G7)首脳会議、G7サミット
  G7の名称に、中国語だと、西方と表現されるんですね。
 〇OECD、経済合作発展組織(略称、経合組織)、経済協力開発機構
 〇SCO、上海合作組織、上海協力機構
 〇ASEAN、東南亜国家連盟(略称、東盟)、東南アジア諸国連合
 〇EU、欧州連盟(略称、欧盟)

 

続いて、中国政府の機関名です。
<政府機関名称>
全人代
 日本のメディアでは、「中国の国会にあたる全人代」と報道されますが、

中国では、全人代という言葉よりも、両会(リャンホイ)と言われることが多いです。何が二つの会議かというと、1つは全人代ですが、

もう1つは、政治協商会議と言われるもので、

これらが同時期に開催されるため、両会(リャンホイ)と言われます。


国務院(グォウーユエン)
 日本の内閣にあたり、直属機関や各省(中国では部)が属しています。

2018年より、国務院の機構改革が行われて、

名称の変更や組織の統合が行われました。以下、少し解説です。


市場監督管理総局
 他の部署でも同様ですが、中央では、~~総局といい、

地方では~~局と言われます。以前の工商行政管理総局、

食品薬品監督総局、品質監督検査検疫総局などが統合してできた組織で、

様々な手続きでお世話になることが多いです。


海関総署(ハイグァンゾンジュウ)
 税関のことを中国語では、海関(ハイグァン)と言います。

旧税関が、検験検疫局(CIQ)を統合して、できた組織です。

このため、国際空港に到着すると、税関のロゴや注意書きを

多く目にすることになります。
 ところがややこしいのは、海関に統合されたのですが、

部局名として同様の名前が存在していることや、

検験検疫局(ジェンイェンジェンイージュウ)のさらに旧称、

商検局(シャンジェンジュウ)で通称されることが現在でも多いことです。

旧組織である商検局の正式名称は、商品検験局で、

略称はCCIBなのですが、略称はその後のものを使う人がいて、

よりわかりにくくなっています。
 商検局(商品検験局、CCIB)→検験局(検験検疫局、CIQ)→海関 という経緯です。
 ※中央は総局、海関の中央は総署。

 

商務部(シャンウージュウ)
 日本でいうと経済産業省にあたり、外資系企業が最初に手続きや相談でお世話になる役所です。中央では、商務部ですが、地方だと商務局という名称です。

 

農業農村部(ノンイェ ノンツゥン ブ)
 旧農業部が、農業農村部という名称になっています。