以前、レストランなどで、店員を呼ぶときに、
「服務員(フーウーユエン)!」と呼ぶように教わったことがあります。
昔は、「小姐(シャオジェ)」と呼んでましたが、
小姐は水商売のお姉さんという意味もあり、
あれは品がないので、今は、服務員だと。
ということは、
・服務員(フーウーユエン):店員さん、すみませ~ん。
・小姐(シャオジェ):ちょっと、おネェちゃん。
というイメージでしょうか。
が、中国に出張したり、中国で働いていると、
今でも普通に、小姐という言葉を聞きますし、
お客さんに対しても〇〇小姐と言っています。
どういうことでしょうか?
また、中国では、役職や年齢(自分との年齢差)によっても
相手の呼称が変わってきます。
今回は、そんなややこしい敬称の中で主なものを紹介します。
1.男女共通
・役職名で呼ぶ。
仕事上の付き合いで相手に役職がある場合は、李という名字の場合、
李総経理(リーゾンジンリー)或いは李総(リーゾン)、
李経理(リージンリー)などと呼びます。
敬称の意味で、副~~という肩書の場合は、
副を外して肩書を呼び、定年後の人も現役時の役職で呼びます。
また、相手の役職がわからないときは、
無難な敬称ということで、経理(ジンリー)と呼びます。
中国語の経理は、日本のように会計という意味はないです。
日本人の出張者や赴任間もない方は、
このように肩書で呼ぶのが無難です。
・職種名で呼ぶ。
技能職の場合、その職種で呼ぶこともあります。
エンジニアだと李工(リーゴン)です。
私は、最初それを知らなかったので、
妙な名前だなと思っていました。
・老師(ラオシー):
職業としての教師以外でも、技能や経験の豊富な方、
或いは教える側の地位にある人に使われます。
・小(シャオ)~~、老(ラオ)~~
親しみを持って呼ぶ場合で、自分より年下の場合は、
小李(シャオリー)、年上の場合は、老李(ラオリー)です。
初対面に近い状態から使うと違和感を持たれてしまうので、
かなり親しくなってから使う方が良いでしょう。
小~~の方は、「~~ちゃん」か「~~さん」というニュアンスです。
・呼び捨て
親しくなると、フルネームで呼び捨てというのも一般的です。
呼び捨てで失礼にならないのかと、日本人は思うかもしれませんが、
フルネームの方が親しみを持てるようです。
さて、ここからが少し難しくなる男女別の呼び方です。
2.男性編
・先生(シエンシャン)
日本人に対しては、肩書に関係なく、
たいてい~~先生(シエンシャン)と呼んできます。
これは、ちょうどMr.に当たります。
外国人向けに使われることが多い印象です。
・哥(ガー)
お兄さんという意味の中国語は、
哥哥(ガーガ)ですので、李哥(リーガ)だと
李兄さんという意味になります。
・师傅(シフー):
以前は、技術者や職人さんの敬称として使われることが多く、
今ではより広い範囲で使われることがあります。
さて、今日の本題はここからです。
年齢によって敬称が変わる+女性 = 難しい
です。
3.女性編
①小姐(シャオジェ):
若い女性に対する敬称で、李小姐というように使います。
水商売のお姉さんという意味もありますが、
この職業自体が近年、規制や不況によって減少して来ています。
②姐(ジェ):
年上の女性に対する敬称で、李姐というように使います。
~さん、或いは~姉さんというニュアンスです。
③大姐(ダージェ):
さらに年齢が上の女性に対する敬称で、
姉さん+おばさんくらいでしょうか。
日本語ではちょうどいいのがありません。
食堂や掃除のおばちゃんには、よく使っています。
④阿姨(アーイ―):
これは、おばさんという意味で、家政婦さんという意味もあります。
⑤大妈(ダーマ―):
③と似てますが、これは使わない方が良い呼び方です。
ちょっと品のないおばさんに対するもので、
やや蔑称のニュアンスがあります。日本語で言うと、
「おばはん(関西)」に当たるでしょうか。
日本で爆買いしていて、マナーの悪い年配の女性というイメージです。
⑥女史(ニュウシィ):
日本語で、名字の後ろに女史をつけるとなると、
かなり社会的地位が高く、やり手の女性に対する敬称で、
ほとんど聞くことがありません。
中国でもそういう意味もありますが、もっと広く使われます。
敬意を込めた「Ms.」というところでしょうか。
さて、ここからは、相手の名前がわからないときに使える呼び方です。
・小姑娘(シャオグーニャン)
小姑娘は、若い女性に対して、
「お嬢さん」というようなニュアンスです。
・老姑娘(ラオグーニャン)
これを使うと間違いなく怒られます。
結婚できていない年増の女性という意味で、
英語だとOld Missにあたり、使わない方が良いです。
最近では、「剰女(シェンニュウ)」というのもあり、
これは「余りものの女」という何とも失礼な表現で、
日本の流行語だと「負け犬」に当たります。
しかし、近年、中国でも晩婚や独身の人が増えてきました。
・美女(メイニュウ)
最近、よく街中で聞くようになりました。
相手が年上、年下関係なく使えるので便利です。
小姐から美女って、呼び方にずいぶん品が出てきたものです。
あと、おまけです。
・小朋友(シャオポンヨウ)
他人の子供を呼ぶときに、小朋友と言います。
小さい友達という意味ですね。