以前、中国古代四大美女を紹介しました。
今回は、中国四大妖姫(ようき)を紹介したいと思います。
妖姫とは、妖気を感じさせる美しい姫という意味のようです。
個別の美女の名前は知らなくても、
どこかで中国の歴史や小説で、
エピソードは聞いたことがあるかもしれません。
それでは早速行ってみましょう。
- 妹喜、末喜(ばっき、モウシー)
・時代:夏末期
・夏の最後の帝、桀(けつ)の妃の一人。
・エピソード:絶世の美女といわれた末喜はすぐに桀に気に入られ、
妃とされて愛された。妹喜のために、桀は、巨大な宮殿を建て、
かつてない宴会を催し、池に酒を満たし、木に肉をつるした(酒池肉林)。
また、末喜が絹を裂く音を好んだため、
高価な絹が集められ、つぎつぎと音を聴かせるためだけに引き裂かれた。
やがて、殷の湯王は兵を挙げ、夏を亡ぼした。
桀と末喜は南方へと落ちのび生涯を終えた。
・時代:殷末期、紀元前11世紀ごろ
・殷の最後の王、紂王(ちゅうおう)の妃。
・エピソード:妲己は帝辛に寵愛され、
帝辛は彼女のいうことなら何でも聞いたという。
民に重税を課し、贅の限りを尽くした。
宮殿内の庭園には野獣を放ち、
池には酒をたたえ、肉で林をつくり(酒池肉林)、
裸の男女を互いに追いかけさせるなど、長夜の宴を開いた。
やがて、周の武王によって攻められ、紂王とともに殺された。
1と2のエピソードはとても似ていて、
暴君として日本語では夏桀殷紂(かけついんふ)、
中国語では桀紂(ジェジョウ)と呼ばれる。
- 褒姒(ほじ、バオスゥ)
・時代:西周末期、紀元前8世紀
・西周最後の王、幽王の妃。
・エピソード:幽王の寵愛を受けるようになった褒姒は、
一度も笑ったことがないため、
幽王は彼女を笑わせようと手を尽くした。
ところが褒姒は、あるとき敵の来襲を知らせるのろしが
あがるのを見た諸侯が駆けつけるようすを見て、
初めて笑った。このため幽王は、彼女を笑わせるために
たびたびウソののろしを上げたので、
ついに諸侯はこれを信じなくなり、
本当に外敵が攻めてきたときに、西周王朝は滅んでしまった。
- 驪姫(りき、リージー)
・時代:晋、紀元前6世紀
・晋の献公の寵姫
・エピソード:異民族の驪戎(りじゅ)の娘であったが、
献公が見初めて、妹の少姫とともに後宮入りして寵愛された。
献公との間に生まれた自分の息子、奚斉(けいせい)を
太子として立てようとして献公を操り、
驪姫以外との女性の間に生まれた他の公子達を策略を用い、
次々と抹殺した(驪姫の乱)。献公が没して一カ月後、
反乱により、妹や一族とともに殺害された。
4人とも、傾国の美女であり、
その時代の王や皇帝が愚かさで国が滅亡してしまうというお話でした。